NPO法人日本ホリスティック医学協会の「ホリスティックマガジン2010」が出ました。
今号に、インタビュー記事をひとつ書かせていただいています。その記事のため、乳がん患者のためのサポートサービスを展開されている株式会社VOL-NEXTの曽我千春さんを取材させていただいたのは、昨年の12月のことです。以前のフロスヴィータの青山オフィスと駅を挟んで反対側にある事務所に伺い、お忙しい曽我さんに3時間もとっていただいて、たくさんのお話を聞かせていただきました。土地勘があった以上に寛いで穏やかな気持ちでお話ができたのは、恐らく曽我さんがこのビジネスの原点であり、今もそれが全ての基点になっている「お客様の声を徹底して聴く」という真摯な姿に引き込まれたからだと思います。インタビューですから、私の話を聴いていただくのではなく、お話いただく立場ですが、私が、あるいは読者が聞きたいであろう事を汲んで話をしてくださるのは、やはり聴き上手であるから、なのでしょう。
VOL-NEXTが運営する「がん患者サービスステーションTODAY!」では、
がん患者さんの相談を受け、既存のサービスがあればそれを紹介し、なくても要望が高いものであればそれを集めて商品化までする、きめ細やかなサービスをしています。しかしそれは、単なる相談・要望という範疇を超えて、がんという病気と闘い、家族や友人、社会と共生するためにがんを抱えながら生きることのすべてについて語られることも多いなかでの対話になります。それをただ寄り添うように聴く。批評したり、意見したり、励ましたりもしないで、淡々とその言葉を受けとめるのは、実はとても大変なことです。曽我さんにどのような訓練をしたらそれができるのかを尋ねたときに、曽我さんはご自分が病気で苦しんでいるときに救ってくれた2人の友人のあり方から学んだ、とおっしゃていました。楽しいときも、つらいときも、なんら口をさしはさまずにひたすら曽我さんの話を聴いてくれる友人がいたから今がある、という言葉は、人の話を聞く仕事であるバッチフラワーレメディのコンサルテーションに求められることと同質のものを感じました。ともすると、落ち込んだ方には励ましを、迷っている方にはなにかの道しるべをと思うのが人の常ですが、バッチフラワーレメディのコンサルテーションは、そうしたことをしないことが一番そのお客様自身の問題解決の早道であることを示唆してくれます。
曽我さんのインタビューで、ホリスティック医療の観点から共有したいことはすべて記事に落としてありますので、それらについては是非『ホリスティック・マガジン』でご覧ください。今号はがんの総力特集です。ホリスティック医学の5つの定義に基づいての考察のほか、ターミナルケア、自然治癒力を高める方法、心理的ケアなど、盛りだくさんです。京ヶ島が直接お目にかかれるかたでご希望があれば、手持ちの何冊かを差し上げることができます。お求めは、日本ホリスティック医学協会で、ご購入ください。
ホリスティック医学協会では、次の5月発行のニューズレターでは「うつ」の特集を、また本年度の年間の連続講座は、「認知症」を取り上げます。どちらも単に治療法の紹介にとどまらず、心の問題や死生観なども交え、ホリスティックに取り組む予定です。認知症の連続講座は「脳の健康プロジェクト」として、老化による認知症以外の若年性アルツハイマーや、患者さん本人だけでなく、看護介護をされる方の視点も持ち込んで、有機的な講座が編まれる予定になっています。5月17日の第1回講座は既にお申込みを開始しています。問題提起やご要望など、協会あてでも、私あてでも結構ですので、是非お寄せください。